さらに。些細な生活

そのうちなんとか。

ハハ接待。

福岡のハハがトウキョウへもしばらく行っていない、歌舞伎座も一度は行ってみたい、と言いだしたのは今年の春先。よく考えたら実は去年3月も来ていたんだけど。

ともあれ体力と懐の余力、出かけようという気力はあるうちにしか使えないのだから、後々未練の残らぬようにムスメ(=自分)、できる限りの手配はする。先々お互いいよいよ動けなくなってから言われても困るし。

親子仲は元々よかったワケではない。むしろその逆だったのが、うちはチチとイモウトも早々に彼岸に渡って1対1になってしまったものだから、上手につきあわないと決裂してしまうと逃げ場はないしいろいろ面倒というのはお互い意識としてあると思う。

 

空港まで迎えに行って、京急で東銀座。こちらに住んでいるハハの学生時代からの親友で、もはやほとんど親戚ポジションのR子さんと待ち合わせ。

たぶんもう一生買うことはないであろう、冥土の土産の桟敷席。1Fはお茶セットまでついてるのね。知りませんでした。で、今知ったところでその知識、先々何に使う機会もなさそうな気はする。

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演目はみなもと太郎原作、三谷幸喜演出の「月光露進路日本(つきあかりめざすふるさと)~風雲児たち」。歌舞伎の新作は常に歌舞伎の定義とは一体なんぞやというテーマを永遠にはらむものではけど、でも、正しく歌舞伎。舞台がロシアで着物よりドレスだったりでも、歌舞伎ったら歌舞伎。

歌舞伎座には行ってみたいけど、実は歌舞伎自体はそんなに好きじゃないとか言うハハにはこちらの方がまだ楽しんでもらえたようでそれはそれでよかったかも。

漂流と、ロシアをカムチャッカヤクーツクイルクーツク、そしてサンクトペテルブルグへと、日本へ帰る術を求めて10年の歳月。その間に半数近くは命を落とすし、生き残ったうちの2人はロシアに泣く泣く残る。

筋だけだとどうにも暗くしかならない話だけど、そこは三谷幸喜作品。

 

自分としては何が一番よかったかって、やっぱ舞台いっぱいに溢れるイヌイヌイヌ。

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写真は松竹のサイト「歌舞伎美人」の。どうせならカーテンコールにもみんな出てきてほしかったよシベリアンたち。

NHKで舞台放送しないかなぁ、なんて思ったけど、難しいかもしれない。うち2匹舞台の真中で交尾してたりで。

 

自分にとって歌舞伎は今日が見納めになっても、もういっかな?くらいの満足感ではあったのだけど、でもまぁもうちょっと、行くかと思う。この先はよほどのことがない限りいつもの3階席だと思うけど。

 

「今日は帝劇明日は三越」ではないが、歌舞伎座の翌日の今日は、三越劇場と、豪遊は続く。ワタシの老後の楽しみもハハと、その友人と、一緒にここで前倒し。