さらに。些細な生活

なんとか、しようと。

恋する新橋、木挽町(例によってタイトルに偽りあり)。

とりいそぎ、記憶のよすがにちょっとだけ。

f:id:hx2:20181122104817j:plain 「犬神家の一族」@新橋演舞場

「黒蜥蜴」に続き、雪之丞の毒に当てられに。中毒化、するのよあのヒトの世界は。

でも、実際に芝居の幕が下りてみれば、もちろん雪之丞さんは期待通りに毒婦なんだけど、それ以上に思いがけずも水之江・波野の新派大御所のインパクトに圧倒されてた。

ひきかえ珠代や小夜子は原作の毒がすっかり抜かれてる脚本の構成上か個人的には印象がかなり霞んでしまった感。

あと、ラストの、犬上佐兵衛さんはみな、裸一貫からやり直せと言いたかったんじゃないかと思うんです、って金田一さんの台詞、それはさすがに納得いかないわ~とも思ったけど、緑郎さんももちろんステキ。

それにしても舞台後のトークショーでもこの2人が自由すぎて。これをあしらうスケキヨ役の浜中くんは、さぞかし大物に育つだろう。

さて、第2ラウンドは歌舞伎座。 f:id:hx2:20181122154200j:plain

一幕目は吉右衛門菊五郎というこれまた大御所二人の「楼門五三桐」だったのだが、その前の婆様方のオーラが強烈すぎたか。「絶景かな、絶景かな~」のトコロまで聞いたかどうかもすでに記憶があやふやな状態になり、ふと意識が戻ったら「巡礼に、ご報謝ぁ~」と幕が下りるところだった。続く雀右衛門の文売りもほぼ気絶していた。

f:id:hx2:20181122155106j:plain そしてようやくの、法界坊。ワタシの中では歌舞伎というジャンルで一番展開がシュールというかアバンギャルドというか。

だって、いくら元許婚の男が殺せと言ったと嘘を言われたにしても、そうして実際自分を手にかけた坊主の霊と合体するなんてことが、あるかね?ワタシだったら絶対イヤだが?…ってずっと思ってたけど、なんかあらためて舞台見てたら、でもまぁひょっとしたら裏切った男憎しでそういうこともあるかしら、と思ってみたり。

で結局なにが言いたかったんだかな流れになってしまったが、でも、このワケの分かんなさが自分にとってはクセになるきっかけだったかもしれない。

今回の法界坊は猿之助さんの初役。舞踊の双面水照月の、野分姫と合体した後のにせおくみとしては前にも見たけど。

実に小汚い衣裳なのだけど、その小汚い衣裳から露わに伸びる太ももから脛に思いがけず白くキレイ。舞踊の部分でない芝居の部分の法界坊のその動きの一挙一投足の流れが置き所まで計算されつくしているかのようにキレッキレ。

新喜劇やドリフのコントのようなセリフ回しなのに、これまで観たほかのどの作品よりもなんだか所作が美しく感じてしまったのはなんでだろう。(舞踊作品だとつい意識が遠のいて実はあまり見てないからか?)

なんだかんだ言ってみても、猿之助さんさえ出てると聞けば、この先もふらふら芝居道楽を続けてしまうのかもなぁワタシは。

 

そしてその翌日の今日。案の定、シゴトは大変つろうございまして、今日1日の忙しさもさることながら、来週に向けてのなんやかやが本当に重い。

正直もうこのシゴト自分にはムリなんじゃないかと、日に3回は思うのだけど、思う端からやることは押し寄せてくるし。

 

休みに出かけるのシンドイのなんのと文句言いつつも、来月、再来月も結局、歌舞伎座に新派と、続く道楽をココロの支えに働くしかないのかしら。

 

ちょっとだけと言いながら、結局だらだら書いちゃった。